医療用ロボットとは?
医療用のロボットは現在、おもに介護ロボットや手術ロボット、マイクロマシン(カプセル内視鏡など)が、それぞれ現場で活躍しています。
その中の手術ロボットは、手術支援ロボットやロボット手術とも呼ばれています。
医療分野でもロボット活用が?
そのように、今後は医療分野でも機械化・ロボット化が進むのでしょうか?。
ちなみに現在、国内には医療に関する学会として”日本ロボット外科学会”が設立されており、2007年から活動されています。そのように、既に医療現場では、すこしづつ徐々にではありますが浸透しつつある分野といえるのかもしれません。
そのようなロボットをはじめ、コンピュータで外科的方法を用いた医療としては、現在、人間では出来ないような細かい操作をロボットに担ってもらう形があげられますが、その背景としては電子機器が急速に発達してきたという背景・事情もあるようです。
そのような時代背景からも、やはり医療分野としても(ロボットやコンピュータの活用・利用)ますます発達・発展していくものと推測できる、といえるのかもしれません。
ダビンチとは?
内視鏡下手術用ロボット(人体を観察することを目的とする内視鏡を利用した手術支援ロボット)のうち、現在代表的な存在としてあげられる”ダビンチ”は、長久保病院でも導入された医療用ロボット機器になります。
その開発元のIntuitive Surgical社は米国のNASDAQに上場する株式会社で、当初の目的は戦場での手術を遠隔で行なうためのシステムとして開発された、という経緯があるようです。
ダビンチの特長?
そのダビンチの特徴から、一般的な内視鏡を用いた手術を比較をしてみますと......普通の内視鏡の場合は(関節がないため等)可動域が制限され、その画像も遠近感のない平面画像が一般的のようですが、一方ダビンチでは、複数のアーム・鉗子で操作を行いますので(左右のアームを365度回転させたりで)縫合糸を結ぶような複雑で細かな仕事も行うことができ、またその画像についても(平面ではなくて)3Dで立体的に見ることができるようになります。
(参考)遠隔地からダビンチで2cmの折り鶴を作成する動画
→ 外部サイトへ
ダビンチが向いているのは?
前立腺は男性のみに存在する生殖器官で、膀胱の真下にあり尿道を取り囲むかたちで存在し、精嚢が隣接する(クルミほどの大きさ)器官なのですが、膀胱のすぐ下に位置し、周囲には静脈が編み目のように走っており、また近くには尿道括約筋があって両側には(前立腺に貼り付くように)勃起をつかさどる神経が走っている、etc....というように、一般的には手術がかなりむずかしい部位という事が言えるようです。
そういった特徴をもつ前立腺への施術について(前立腺ガンの場合のような)"前立腺全摘術"では出血を抑えつつ神経(神経血管束)を温存する事はさらに難しいともいえるかもしれませんが、そのような場面においてこそ"ロボット手術"は適しているのではないでしょうか?。
実際、ダビンチの本場米国では、現在、前立腺全摘手術の9割でダビンチが利用されているといわれています。
ダビンチのメリット?
ダビンチによる手術で患者さんが受けられるメリットについて、その開発元の文章を以下に紹介しておきます。
より少ない痛み、
より少ない出血、
より少ない入院日数、
より少ない術後の合併症の確率、
より再発しにくい癌手術の術後の状況、
より早く社会復帰可能に、
( Intuitive Surgical, Inc. のWEBサイトから抜粋 )
当院の実績から
さいごに、当院のダビンチに関する実績(手術件数)を、グラフで簡単にわかりやすく示してみます("前立腺全摘術"の中で、ダビンチによる施術の場合と、従来よりの開創の場合とを、その推移を、時系列で)。