PVP治療の成果
お陰さまで2006年1月より前立腺レーザー蒸散術 PVPを開始し、現在までに1500例以上の患者さまに対して行ってきました。その内、約9割の症例において症状改善効果を認めております(当院結果より)。
その治療実績は2008年、2009年と泌尿器科領域では最も権威のあるアメリカ泌尿器科学会にて発表しました。
従来の手術方法であるTURP(経尿道的前立腺切除術)と比較し、治療効果は同等であるにも関わらず、尿道カテーテル留置期間、入院期間は有意にPVPが短いとの結果でした。
またPVPは出血が少なく、重度の心臓病など重症合併症例においても施行可能でありました(当院結果より)。
PVP治療の成績
下の図は、PVP(前立腺蒸散術)とTURP(経尿道的前立腺切除術)の比較図です。
図1は、自覚症状の比較図です。
PVP、TURP共に手術前より手術後の方が自覚症状が少なくなっています。また、PVP治療患者とTURP治療患者とでは、自覚症状の差がないことがお分かり頂けると思います。
図2は、最大排尿率の比較図です。
PVP、TURP共に手術前より手術後の方が最大排尿が多くなっています。また、図1の自覚症状と同じく、最大排尿率でもPVP治療患者とTURP治療患者とでは、手術後の改善は同等であることがお分かり頂けると思います。
尿道カテーテル留置期間、入院期間の結果は以下に示します。
PVP治療の成績2
下の図は、PVPとTURPでの尿道カテーテル留置期間と術後入院期間の比較図です。
尿道カテーテル留置期間とは、カテーテルと呼ばれる中空の柔らかい管を、尿道に挿入し尿を対外に排出する期間のことをいいます。
尿道カテーテル留置を、平均1日のみ行うPVPに対して、TURPは平均3日も行います。長期間、尿道カテーテル留置を行いますと、細菌感染の危険性も高まりますので留置期間は短い方が体には負担になりません。
また、術後の入院期間もPVPは平均して1日ですが、TURPは平均5日も入院しなければなりません。手術中に出血量が少なく手術後の痛みも比較的少ないため、早期退院が可能となります。
当院の実績から(手術件数の推移)
さいごに、当院のPVPに関する実績・手術件数の推移を、グラフで簡単に示してみます。
前立腺肥大症の治療の中で、PVPでの処置の場合と、TURPでの処置の場合とで、その推移を表示します。
→ なお、手術実績の一覧は、こちらのページに記載いたしました