- <Q1>手術支援ロボット”ダヴィンチ”とは?
- <Q2>ダビンチを用いた手術とは?
- <Q3>ダビンチを用いた手術の特徴?
- <Q4>(ダビンチ)ロボットアームの特徴?
- <Q5>(ダビンチ)鉗子の操作?
- <Q6>ダビンチの、カメラ・画像の特徴?
- <Q7>なぜ、ダビンチを用いた手術では、がんが再発しにくいとも言われる?
- <Q8>ダビンチのシステム構成概要?
- <Q9>外科医の方がダビンチを使うメリットは(簡単には)?
- <Q10>ロボットの手術と内視鏡との、その違いは?(簡単には)
- <Q11>ダビンチが前立腺全摘術に向いているのはなぜ?
- <Q12>ダビンチによる手術で患者さんが受けられるメリットは、簡単には?
- <Q13>ダビンチによる手術が、一般的な内視鏡下手術と違う点は?
- <Q14>ダビンチによる膀胱全摘術の、従来方式との違いは?(簡単には)
<Q1>手術支援ロボット”ダヴィンチ”とは?
<A1>.ダビンチ(”ダヴィンチ”、”davinci”)は、Intuitive Surgical社が開発した医療用ロボットです。現在、内視鏡下手術用ロボットの代表的存在で、(ダビンチによって)低侵襲な手術が可能になります。
なお、Intuitive Surgical社は、アメリカの医療機器開発会社で、NASDAQに上場をする株式会社です。
<Q2>ダビンチを用いた手術とは?
<A2>.患部周辺に10ミリ程度の孔を5〜6個開け、そこからロボットアームを挿入して、内視鏡下で病変部分の切除や縫合を行う手術です。
<Q3>ダビンチを用いた手術の特徴?
<A3>.傷口が小さいので、それだけ早く社会復帰することが可能となります。
たとえば、ダビンチで前立腺全摘術を行った場合、多くの場合、翌日から歩くこともできます。
<Q4>(ダビンチ)ロボットアームの特徴?
<Q4>.ロボットアームの先に取り付けられたエンドリスト(鉗子)は、術者の手の動きにあわせて、自在に動かすことができ、かつ、手ぶれも修正してくれるので、デリケートな手技がやりやすくなるという特徴があります(下記写真は、実際の鉗子の先端です)。
<Q5>(ダビンチ)鉗子の操作?
<A5>.(写真は)鉗子を、コンソール内で操作しているところです。
その鉗子は、実際の手よりも細かい動きが可能となっています。
<Q6>ダビンチの、カメラ・画像の特徴?
<A6>.カメラは十倍まで拡大が可能です。また画像は(ぶれもなく)クリアな”3D画像”で、その画像を見ながら手術を進めます。
<Q7>なぜ、ダビンチを用いた手術では、がんが再発しにくいとも言われる?
<A7>.(癌の手術について)切断部分にがん細胞が残った場合を断端細胞と言いますが、ダビンチを用いた手術では、開腹手術に比べて断端細胞は、あくまでも"比較的"ではありますが低い数値を示しています。そのことからは(癌の手術について)ダビンチを用いた手術は再発がしにくいといえるかもしれません。
<Q8>ダビンチのシステム構成概要?
<A8>.システムは、 (1) サージョンコンソール(3Dによる操作画面部など)、 (2) ペイシェントカート(アーム類・電気メスなど)、 (3) ビジョンカート(モニター類・そのほか装置を格納)、などから構成されます。
<Q9>外科医の方がダビンチを使うメリットは(簡単には)?
<A9>.
(1) より高い外科手術の精度およびそのコントロール性
(2) ロボットアームの広い関節可動域およびその機敏さ
(3) 3Dのハイビジョン画像による操作とズームも可能な画像操作
(4)(手術時の)目標箇所へのアクセス法が改善・容易に
(5) ダビンチ操作時の、そのエルゴノミクスデザイン性能
( Intuitive Surgical, Inc. のWEBサイトから )
<Q10>ロボットの手術と内視鏡との、その違いは?(簡単には)
<A10>.普通の内視鏡は(関節がないため)可動域が制限され、その画像も遠近感のない平面画像が一般的のようです。
一方、ロボット手術では、複数のアーム(鉗子)で操作を行いますので、縫合糸を結ぶような複雑で細かな仕事も行うことができます。また、その画像については、平面ではなく3Dで立体的に見ることができます。
<Q11>ダビンチが前立腺全摘術に向いているのはなぜ?
<A11>.前立腺は男性のみに存在する生殖器官で、膀胱の真下にあり尿道を取り囲むかたちで存在し、精嚢が隣接する器官なのですが、膀胱のすぐ下に位置し周囲には静脈が編み目のように走っており、また近くには尿道括約筋があって両側には(前立腺に貼り付くように)勃起をつかさどる神経が走っている、というように、一般的には手術がむずかしい部位です。
そういった前立腺への施術について、特には"前立腺全摘術"では、出血を抑えつつ神経(神経血管束)を温存する事は難しいともされますが、そのような場面において"ロボット手術"はとても適しているといえるようです。
<Q12>ダビンチによる手術で患者さんが受けられるメリットは、簡単には?
<A12>.
より少ない痛み、
より少ない出血、
より少ない入院日数、
より少ない術後の合併症の確率、
より再発しにくい癌手術の術後の状況、
より早く社会復帰可能に、
( Intuitive Surgical, Inc. のWEBサイトから )
<Q13>ダビンチによる手術が、一般的な内視鏡下手術と違う点は?
<A13>.一般的な内視鏡下(腹腔鏡)手術と大きく違う点は、術者が手術台から離れたボックス(サージョンコンソール)の前に座り、モニターアームを操作するという点です。
また、一般の内視鏡下手術は(平面の)二次元の画面を見て行いますが、ダビンチでは三次元(つまり3Dの画像)で見えますので、より正確な手術が可能ともいえます。
<Q14>ダビンチによる膀胱全摘術の、従来方式との違いは?(簡単には)
<A14>.従来の開創膀胱全摘よりも、出血量の減少・術後の回復が早くなる等、膀胱全摘術においてもダビンチの使用は有用な方法です。
なおその場合の尿路変更術につきましては、回腸導管術(集尿袋が必要な方法)または新膀胱術(小腸を利用して、手術前と同じように尿道から自分で排尿する方法)を、症例に応じて選択をいたします。