- <Q1>透析療法?
- <Q2>HDとは?(血液透析)
- <Q3>(透析療法における)拡散とは?
- <Q4>HFとは?(血液ろ過)
- <Q5>HDFとは?(血液ろ過透析)
- <Q6>オンラインHDF・オフラインHDF?
- <Q7>血液透析の現在・割合?
- <Q8>透析における"シャント"とは?
- <Q9>PTAとは?(経皮的血管形成術)
<Q1>透析療法?
<A1>.臓器のうち、腎臓の主要な機能として、尿を作り出して身体の外に排出をしていくことが上げられます。その尿は、余分な老廃物や毒素・水分とともに、体外に排出されることとなります。
もしも慢性腎不全などによって、そのような腎臓本来の役割がとれなくなってしまった場合には、透析療法によっても、その役割を代替しそして維持していくことも可能ともなります(その方法は大きくわけますと、腹膜透析療法と血液透析療法の2つです)。
<Q2>HDとは?(血液透析)
<Q3>(透析療法における)拡散とは?
<A3>.透析用の"膜"を境に、血液と、その濃度に差のある透析液とを分けておく(接するように)と、その膜の間を物質(血液中に含まれていた老廃物など)が、反対の液体方向へ移動することになりますが、その溶液の間の濃度差を利用して"拡散"させて透析療法を行っていく仕組み、それがHDの基本となる仕組みです。
<Q4>HFとは?(血液ろ過)
<A4>.透析療法のうち、濾過によって血液内の老廃物を取り除いていく"血液ろ過"は、HFとも呼ばれていますが、それは"Hemo Filtration"の略です。
この方法では圧力を加えて透析膜を通して血液を濾過して、老廃物を取り除いていきます。
HFでは分子量の大きな老廃物がより除去されやすいともいわれる模様です。
<Q5>HDFとは?(血液ろ過透析)
<Q6>オンラインHDF・オフラインHDF?
<A6>.さらにHDFには、オンラインHDFとオフラインHDFの二方法が上げられます(分けられます)。
前者のオンラインHDFでは、透析液をそのまま補充液に利用することとなり、そのため補充液が多くなり老廃物など物質除去能力が向上するともいわれます。後者のオフラインHDFでは反面(市販のパックなどを利用することになり)そのように補充液が限られる形・方法となります。
前者のオンラインHDFでは、濾過する量が多くなり、老廃物も多く取り除くことが期待できるのですが、その分といいますか(水質の条件など)一般にはその施設要件がさらに、より厳しくなります。
<Q7>血液透析の現在・割合?
<A7>.透析療法のうちの、血液透析などの導入割合につきましては、こちらの透析医学会WEBサイトで公開されております(2016年現在、透析医学会WEBサイトでは、透析療法の現況についての情報などが多数、PDFファイル等で公開されております)。
その中から参考に...血液透析の割合は、透析療法全体の79.5%におよぶ模様で(2015年末時点です)、一方、血液透析ろ過は17%ほどの模様です。
<Q8>透析における"シャント"とは?
<A8>.老廃物等の除去を行う血液透析では、体外循環に十分な血液量・流量が必要になります (注1)。
そのための血液量は、通常の表在静脈 (注2)からでは十分ではありません....具体的には毎分200〜250mLの流量です。通常の腎臓が毎日24時間かけて行っている体内浄化を、血液透析の場合には数時間の間ですませてしまうので(通常週3回程)、必然的にとても多い血流量が必要になってしまいます。
その血液浄化を行うためには通常、動脈と静脈をつなぎ動脈血の一部が表在静脈に大量に流れるようにします。この方法を"内シャント"といい、そのための手術が"シャント造設術"です (注3)。
ご自身の表在静脈が細い等で、どうしても通常の内シャント造設できない場合は、人工血管を用いて内シャントを造設したり、長期留置用のカテーテルを使用する場合もあります。
ちなみにこれら、十分な血液を取り出すための出入り口を"バスキュラーアクセス"といいます。
(注1)なお老廃物のほかにも、余分な電解質や水分も排出されます.....→そのような血液透析に関する情報はこちら
(注2)静脈のうち、体表付近を流れるタイプのものの事です。
(注3)一方、身体の外で形成する場合は"外シャント"といいます.....なお現在はシャントとしては"内シャント"の方が一般的といえる模様です。
<Q9>PTAとは?(経皮的血管形成術)
<A9>.そして血液透析を続けておりますとシャント血管に閉塞や狭窄が起きることがあります(注1)。
そのような場合には処置が必要になりますが、その方法・対処としまして、シャントを作り直すか、もしくは狭くなってしまった部分を広げることが(対処法として)あげることができます。
そのうちの後者の方法として、PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty)といわれる"経皮的血管形成術"があります。それは血液透析のためのシャント血管が狭窄したりして十分な流量が得られなくなってしまった場合に、血管を広げ、再び血流が得られるようにする方法です(注2)。
具体的には、まず血管にガイドワイヤーを挿入して、該当する狭窄部位まで進めていきます。その後、バルーンカテーテルを挿入して該当箇所まで進め、その箇所でそのバルーンカテーテルを膨らませて、狭くなった血管を広げます(注3)。
その所要時間はおおむね1時間程度で完了いたします(そして局所麻酔のみで可能です)(注4)。
(注1)なお血液透析における"閉塞"・"狭窄"とは、シャントに血液が流れなくなる・シャントが一部細くなって流量が減少することです。
(注2)参考に、その場合の血液量など補足情報はこちらの中に記載しました。
(注3)"カテーテルで措置をする"ことが(皮膚を通して措置をするということで)PTAにおける"経皮的"と言い表されるゆえんです(補足として、この点は前記の侵襲の少ないことと類似する用語といえるかもしれません)。
(注4)当院でも実施可能です。詳細はお問い合わせくださいませ。