前立腺ってなんだろう
前立腺は、膀胱から出てすぐの所にある、尿道のまわりをリング状に取り巻いている腺(組織)で、栗の実に似た大きさと形をしています。
男性ホルモンや性機能と関係のある臓器の一つです。一般的には、前立腺は青年期に発達しますが、ここでは精液の一部、すなわち前立腺液がつくられています。
前立腺肥大症の治療の歴史
前立腺疾患の治療は、古代ヒポクラテスの時代からなされたといわれています。エジソンが電球を発明し、麻酔学が発達し、開腹による前立腺疾患の治療から内視鏡による治療の時代にすすみました。
そして、経尿道的前立腺切除術(TURP)の時代となりました。最近では新しい治療法として、レーザーを使ったHoLEPやPVP、また電気メスを用いる核出術TUEBがあります。
前立腺肥大症はどうして起きるのだろう?
前立腺は一般的に熟年期になると大きくなりますが、原因は一つではありません。
最近ではメタボリックシンドロームと肥大症の関係が取りざたされています。
男性機能が低下してくる年代になると次第に前立腺は肥大し、その肥大した前立腺が尿道を圧迫し、その結果おしっこが出にくくなったり、膀胱が尿を出そうと常に無理をし、膀胱の活動が異常に高まり、おしっこの回数が増えたりするのが前立腺肥大症です。40歳以上の男性がもっとも困っている症状は、夜間頻尿です。
前立腺肥大症の症状にご注意
こんな症状が出てきたら、前立腺肥大症ではないか疑ってみましょう。
1.とくに夜間の排尿回数が増加する(2回以上)。
2.尿意を感じてからトイレに行くまでに、排尿を抑えることができずに漏らしていますことがある。
3.尿が出始めるまでに時間がかかる。
4.尿が出始めてから終わるまでに時間が長くかかる。
5.尿の出方が細く弱々しい。
6.残尿感がある。
国民病のひとつ?
なお、50才以上の男性の5分の1の、300~500万人の人が、前立腺肥大症であるともいわれており、この病気はいまや"国民病の一つ"ともいえるのかもしれません。
なお近年はとくに前立腺がんが増えているようです。
心配な方は、前立腺疾患は"はずかしい"と思わずに、一度ご相談くださいませ。