画期的手術法"PVP"とは?
長久保病院では、国内で二番目に米国レーザースコープ社のKTPレーザーを新しく導入、前立腺肥大症に対するPVP(Photoselective Vaporization of the Prostate)経尿道的前立腺レーザー蒸散術の手術を始めました。平成31年1月までに1800例以上の治療経験があります。これは国内随一の症例数です。
PVPは今までとは全く違った性質を持つ内視鏡手術で、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンを熱することで組織を蒸散させるという優れた利点があります。患者さんへの負担が最小限度ですむ画期的な手術方法として注目されています。
平成23年LBOレーザーを導入。これは安全性はそのままに120Wとパワーアップされ、さらに治療効果を高めた機械です。欧米、韓国などでは広く普及しており、その優れた効果が実証されています。当院では10年以上の治療実績があり、多数の経験に基づく治療が可能です。
平成31年3月180W(XPS)となりPVPはさらに進化しました。
最新のPVP・XPSについて
従来の出力120wが180wとなり総照射エネルギー量も40万ジュールから65万ジュールに増えました。これにより、とても大きな前立腺肥大症も十分な蒸散量(体積の減少)を得ることができます。蒸散スピードもアップし、手術時間も短縮します。出力の増大は出血しやすくするのではなく、逆に出血量は減少し、安全性はより向上しています。レーザー深達度も従来と同等であり、パワーアップにより低侵襲性を犠牲にすることなく、治療効果を増大させたのがこのXPSです。
PVPの特徴について
(1) 手術中の合併症や出血が少なく、大きな前立腺でも輸血は不要です。手術後の腫れ・痛みがほとんどないため、手術直後から良好な排尿が期待できます。
(2) 心臓・脳などに持病をお持ちの方、血液をサラサラにする薬をのまれている方にも行う事ができます。
(3)手術翌日に尿道カテーテルを抜去できます(欧米では30%の方がカテーテル不要とのデータがあります)。
(4)手術を受けても男性機能への影響(いわゆるインポテンツ)はほとんどありません(当院症例より)。
(5)なおPVPは前立腺肥大症に対する手術です。前立腺がんの疑いの強い方、あるいは前立腺がんと診断された方はお受けになることができません(ご了承下さいませ)。